SERVICE 診療内容
Respiratory Medicine 呼吸器内科
喘息(ぜんそく)やCOPD、睡眠時無呼吸症候群など、呼吸に関する病気はたくさんあります。当院では専門医が豊富な経験のもと、正確な診断・適切な治療をみなさまの「かかりつけ医」として、丁寧に行ってまいります。「いつまでも咳が続く」「息切れがしてつらい」など、呼吸の症状や肺の病気でお困りのときはもちろん、検査で異常がみつかったときにも、お気軽にご相談ください。
喘息(ぜんそく)・長引く咳について
長引く咳の原因として最も考えておかなくてはならない病気は、なんと言っても「気管支喘息」です。 それ以外の原因としては、喘息の前段階とも言える「咳喘息」、アレルギー性の咳である「アトピー咳」、副鼻腔炎・鼻炎との関連がある「副鼻腔気管支症候群」、「アトピー咳」などが原因として挙げられます。まずは、咳が続いている期間を思い出してみてください。咳が「3週間以上」続いている方は、医療機関を受診されてみてはいかがでしょうか。
「喘息」とは、気管・気管支の刺激に対する敏感さが、アレルギー・ウイルス感染・精神的ストレスなど、様々な原因によって進行していく病気です。健康な人では反応しない程度の小さな刺激でも敏感に反応してしまい、炎症を起こすことで、呼吸困難発作しまうことがあります。喘息は、慢性・進行性の病気です。そのため、長期的な治療が必要となります。
-
3週間以内に咳がおさまる場合
微熱、のどの痛み、鼻汁の後に続く「かぜの後遺症」が原因であることが多い
-
3週間以上咳が続く場合
特に8週間以上続く咳の場合には「かぜの後遺症」以外の病気が隠されている可能性が高い
COPDについて
喫煙により引き起こされる肺の病気で、「Chronic(慢性)」「Obstructive(閉塞性)」「Pulmonary(肺)」「Disease(疾患)」のそれぞれの頭文字をとって「COPD」と呼びます。原因のほとんどは習慣的喫煙、すなわち、COPDはたばこ病です。喫煙を続けるかぎり年々進行していきます。
「COPD」の患者数は全世界的に増加しており、2020年までに心臓病、脳卒中に続いて第三位の死因となることが予測されています。「せき」、「たん」などの症状から始まり、次第に動いた時の息切れが増悪します。
「COPD」の診断は、肺機能検査(スパイロメトリー)で行います。テレビや雑誌などで聞くことのある「肌年齢」や「血管年齢」と同じように、肺機能検査では「肺年齢」を算出することで、タバコによる肺の機能障害の程度が分かります。
慢性呼吸不全について
慢性呼吸不全とは、文字通り慢性的に呼吸不全に陥っている状態のことです。息を吸うときに空気中の酸素を取り込み、吐くときに二酸化炭素を排出するガス交換が、いろいろな原因により上手くできなくなることを呼吸不全といい、この呼吸不全が1ヶ月以上続いてしまうと慢性呼吸不全と呼ばれます。
慢性呼吸不全の原因としては、肺など呼吸器の不調が考えられ、多くの場合は何らかの病気から引き起こされます。その中でも特に慢性閉塞性肺疾患(COPD)が原因となることが多くあります。
代表的な症状としては、息切れなどの呼吸困難が挙げられます。しかし、症状の程度によっても異なりますし、個人差もあります。呼吸の動作が少し大きくなるような程度で、息苦しさをそれほど感じない進行が緩やかな場合もあるといわれています。「息切れ」は以下のようにグレード分けすることができます。
- Grade0.
- 息切れを感じない
- Grade1.
- 強い労作で息切れを感じる
- Grade2.
- 平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登る時に息切れを感じる
- Grade3.
- 平地歩行でも同年齢の人より歩くのが遅い、または自分のペースで平地歩行していても、息継ぎのため休む
- Grade4.
- 約100ヤード(91.4m)歩行した後息継ぎのため休む、または数分間平地歩行した後息継ぎのため休む
- Grade5.
- 息切れがひどくて外出が出来ない、または衣服の着脱でも息切れがする
禁煙外来について
現在、タバコを吸われている方は、まずは禁煙をすることが重要です。お薬を用いた「禁煙治療」がありますので、禁煙してみようと思っている方は医療機関を受診し、まずは相談してみましょう。
タバコがやめにくいのは、ニコチン依存と心理的依存の二つの要素が根底にあるからです。ニコチン依存とは、タバコに含まれるニコチンによってつくり出される身体的依存状態のことを指します。また、心理的依存とは、それまでタバコを吸っていた状況になると急にタバコがほしくなる状態のことです。
そこで禁煙治療を受けながら、禁煙する方法があります。現在、禁煙治療に使う薬は、(ニコチンを含まない飲み薬/ニコチンパッチ/ニコチンガム)の3種類です。これらのうち、医師により処方され保険適用が可能なのは、ニコチンを含まない飲み薬と医療用のニコチンパッチです。
- 「とりあえず減煙」より、スッパリやめることが禁煙成功への近道です。
- 「禁煙治療」でサポートは受けられますが、禁煙の主役はご本人ですので「禁煙するぞ!」という強い決意が大切です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に無呼吸が繰り返され、睡眠の分断、深い睡眠の減少により日中に過度の眠気を伴う病気です。
昼間の眠気で、交通事故につながるという危険や日中仕事に支障をきたすというような直接的な問題があるのはもちろんのこと、睡眠時無呼吸症候群は、高血圧を高率に合併し、心血管系・脳血管系の合併症(心筋梗塞・脳梗塞)も引き起こす可能性がある、現代の生活習慣病につながる大きな危険因子なのです。
日本では、全人口の1~3%程度の方が、この睡眠時無呼吸症候群であると言われていますが、食生活の欧米化とそれに伴う肥満により、これからもっと増加するであろうと言われています。
昼間の眠気と睡眠中のいびきが二大症状です。このような症状があれば、医療機関で検査を受けてみることをおすすめします。「いびきが大きい」「メタボリックだ」という方、要注意です。
ナステントの処方箋作成しております。
当院では、同フロアにある「ひろしま脳神経内科」と共同で、CTによる肺の精密検査を行っております。肺がんなどの早期発見にもつながります。肺がん検診などで異常が疑われた場合も、お気軽にご相談ください。